(線が正しい大きさです)
中学校の春の身体検査が終わりました。
追加検査した人のほとんどが「ビタミンB1欠乏」の症状を持っていました。
このままでは、勉強と運動に、本人も辛かろうし、将来も問題が多くのこるのではなかろうか??と気になることです。で、ビタミンB1について考察を試みました。
1) ビタミンB1の働き・・・新陳代謝を整える 抗脚気作用 筋肉(心臓を含めて)の働きを円滑にする 体内循環に寄与する
2) VB1を多く含む食物・・・玄米(胚芽米) 麦(大麦・小麦・ライ麦) 豆類(大豆・小豆・黒豆など) 豚肉 酵母など。
3) VB1を奪うもの(体内で)・・・甘いもの(白砂糖・ケーキ・ジュース・果物など) 白米食、白パン、すべてのアルコール飲料、肉体の運動と労働、精神的ストレス、睡眠不足、寒暑のストレスなどなど。
4) VB1の欠乏症状・・・軽度=全身倦怠 寝起きが悪い 肩こり 筋肉の疲労と痛み(それが取れにくい) やる気が減る いらいらしやすくなる
高度=これらの症状がひどくなる 心臓の動悸が増える 下腿の浮腫 食欲の低下 神経痛・筋肉痛・関節痛などが起きやすい 脳の症状が起きることがある(ウェルニッケ脳症)
医学的(検査的)には、肺動脈第二音の亢進、最低血圧の下降、胸部レントゲンで心臓陰影の右方拡大(心臓肥大)、筋肉の圧痛など。
アキレス腱反射は、初め亢進、末期にはマヒなどを認めます。
5) VB1の補給・・・VB1を多く含む食物(上記)を摂る。
<現代医学的な治療には、VB1剤の服用や注射もありますが、これらがどれだけ有用で有効であるのか!?私も長年医療に携わっていますが、今もってこの点に関してははっきりした結論を持ちません>
ビタミン剤の内服で効果が出ない場合、”あなたはビタミンを吸収しない体質だ!?と言われるようですが、真実は・・・??>
とにかく、VB1は食品から摂る、のが一番のようです。
6) VB1の一日の必要量は「1mg}と言われます。
自然の食品から摂ればそれだけでいいのですが、吸収の問題と、消費(砂糖やアルコールとのバランスの問題があります。3mg摂っても、消費が5mgなら2mgの不足!?ということになります。
健康で、まったく無症状の人は、今のままの食生活を続けられたらいいし、上記の症状がある方は、食生活の改善に努力されたらいいのだと考えます。(薬品とサプリは、そのあとに考えてください)
7) 「ビタミンB1」の歴史
鎌倉時代までは、日本人は「玄米食」で、体も大きく立派(このころの鎧と兜をつけ、刀を持ったら、現代の日本人は動けない!?と聞きました)でしたが、江戸時代の中期(八代将軍吉宗のころ)より白米食となり、体格も体位も落ち、いわゆる”江戸患い=脚気=”が起こったといいます。(このころから白砂糖の消費も増えてきたようです)
それから、日本では戦争の時代<この時代は、食料も少なかったが、病気も少なかった!!>を過ぎて、今、食糧は豊かで(本当は日本の食料自給率は40パーセント!?)、さらには「飽食」の時代を迎えています。
ここで大切なのは、好きなものばかり食べないで、栄養のバランスを心がけることでありましょう。
8) まとめ・・・現代の日本では、ほとんどの家庭で、当然のように「白米」を食べ、甘いケーキやジュースを沢山飲み食いしている現状であります。もっと脚気が増え、問題となってもいいと思うのですが、なかなか話題に上がりません。が、私は、顕性のものは少ないが、隠れた(潜在性)の「VB1欠乏症」は意外と多いのではなかろうかと考える昨今であります。
もう一つ、現代の日本で、VB1のない「白米」をほとんどの家庭で食べながら、昔のように「脚気」と呼ばれる病気が少ないのは、食生活の変化の結果で、主食の「米」を食べる量が少なく、副食物が多いからではないだろうか・・・と考える昨今であります。
今、アメリカのハーバード大学で、日本の玄米(3割混ぜる)の効用について(健康にいい!!)論文が出ているようです。中卒で日本一の多額納税者になられた斎藤一人さんも、健康のために「白米に玄米3割混」を説いておられます。私も実行しています。
これを教えてあげた60歳の主婦の人が、四か月で心臓の肥大が縮小した(体も軽くなり、肩こりも良くなった)例もあります。なにか感じられた”方は、お試しになってみてください。
特に、「お子様の健康と食生活」について考えてあげてくださることを、切に願っています。